プロペラ足こぎ フィン足こぎ 徹底比較 決定版...その③

足こぎ

2018年08月15日 21:42

まず前回に引き続き言っておくが、くどいようだがプロペラ足こぎ フィン足こぎどちらも一般の満足度は高いものなので、絶対的優劣はそもそも付けられない。
例えば米国での比較評価なんかでもですね、たくさん動画があがってて役に立ちはしますけど、アメリカは日本と違い、広大な内陸部人口を抱えてますので、川 湖 池 なんかで釣りをする人が多い。 そういうフィールドではカヤックには当然小回りが利いて小さいとか、その他立って釣りができるとか バックができるとかそういうことが重視されます。 そういうユーザーの視点で優劣を語った動画とかを見て、それをソルトの沖のジギングの参考にしても無理 誤解が生じます。皆さん気を付けましょう。



という事で、 プロペラ足こぎ フィン足こぎ 徹底比較 前回は、足こぎユニットプロペラタイプとフィンタイプ、実用上の巡航速度というかそういったものはほぼ同じようなものと言いつつ、ストップアンドゴーでの挙動とか 用途、焦点を絞って比較すると 漕ぎ心地 効率 実は結構違うものだという事 つまり巡航速度が同じでも、用途による適性までどちらも同じ、という事ではない。 それぞれの釣りスタイルにどっちがあってるかというのは結構ありそうだ ということを実例を挙げて紹介した訳だ。
まあ、①②の記事を通して総じてなんとなく プロペラは急速な操船にはかったるい挙動をするが、スピードを出さないで前後に細かく動く池川の釣りとかストラクチャに沿って行う釣りにとかに適性がある とか フィンは紐を引く手間はかかるが その他の点では圧倒的にプロペラより効率は良さそう、移動距離の多いソルト全般向けなんだな とか そう印象を持ってもらったらいいなと思う。


さて、それでは第3回目は、問題のバックについての比較だ。 
単に紐を引く手間があるかないかなんて誰にでもわかることはどうでもよい。 実はもっと重要な違いがあるのでその辺を掘り下げてみよう。
そして、ドライブ比較は今回で終わり 次回はすこし足こぎドライブの性能から離れたところの各タイプの比較もやることとする。 結局ドライブだけでは比較できない要素多いですからね。



 あ、またもや最初にちょっと余談だが 言っておくことがある、
ホビー足こぎユニットはインストラクションにもあるように、前後切り替えの紐を引くとき漕いではいけません!
きちんと真ん中位置でペダルをそろえ そこで前後切り替えの紐を引くのが正しいやり方。
漕ぎながら引き続けるとドライブの寿命縮めるかもよ。
基本日本のカヤックショップさんって、こういうこと聞かなきゃ全部教えてくれないし、英語マニュアル読破してるショップは少ないだろうし、そもそもそういったメンテ知識完備のお店ばかりとも限らない。 文句言っても仕方ないんで各人ホビーの英語サイトでちゃんとマニュアルを読むこと。


バックで超有利なプロペラ、、、のはずだが実は? 
確かにプロペラはバックの時の手間がかからない。その点絶対的なメリットありです。
上記のように池川とか ソルトで細かいストラクチャーにへばりつくとき、沖縄県ならリーフ周りとかですね。 これはもう圧倒的にプロペラが良いですよ。 その条件ではいかなる欠点にもましてラダー以外はいじらずに前後できるメリットのほうが大きい。

ただ、実はその前進バックの繰り返しをどれだけの頻度でやるかで、そのメリットの大きさはかなり変わってくるのです。
なぜなら フィンタイプと違い紐を引く手間はなくとも やはりプロペラのデメリットも前後運動の際相当あるから。 
これだけはフィンとプロペラ両方を乗って使い込まないとわからないところです。 ①②の記事から引き続き読んでくれてる人は言わなくても何がデメリットなのか想像つくだろう。
そう プロペラの水の抵抗値の高さと、変速機能的な物のなさ これがね~
急ブレーキの際ものすごくプロペラは重いんですわ。

例えばソルトのジギングの場合、このバック機能の使い道って基本ブレーキ替わりなんですよ。 前後を細かく切り替える位置調整なんて外海の強烈な潮流のある中でそんなの意味ないんでやりません。 ほとんどの場合風上から下に流す、体は風上に向く釣りになるからフリーで流すかホバリングかの動きになるのであってバックはほとんど使わない。

が、小さなポイント、狙い撃ちのターゲットが下に来たときブレーキは必要になる。 特に風下に移動中ね。これがないとあっという間に50Mくらい進んじゃうし、バックせず180度回って戻ろうとすること自体上記の潮流のせいで意外と難しいし、まあ、間違えなく狙い撃ちターゲットはどこかに行っちゃうよね。だから、ビシっとすぐに止まってサクッと負荷なく速やかに数メーター後ろに下がれるのが良い。

動画作ったんでね。 百聞は一見に如かず

笑っちゃうくらいその挙動 負荷が違うのは伝わるだろうか?

普通に竿をしゃくりながら時速2-3kmで移動してるときは全然プロペラでもブレーキは問題ないんです。 というか 何度も言うが 特に時速2km程度の速度ならそりゃ紐のないプロペラが圧倒的によい。
が4km、5km 6kmで移動中ビタっと止まりたいときはもうホビーのフィンタイプが圧倒的過ぎるくらいいい。


でも いざバックで移動となると やっぱりプロペラが良いかな?

 重要な点だが 以下の件はあくまでもホビー レボリューション16 と アンパラ ステディー350 をもとに書いてます アウトバックやスレイヤー ペスカドールはどうかわからないので注意!

と、ある程度速度が乗ってるときの急ブレーキ、バックへの切り替えはフィンタイプが圧倒的に良いと言ってるわけだが、
ただ、実はバックに切り替えた後 そのままバックで移動したいとなると またもや話が変わるのだ。

以前にも何度か当ブログで触れてるのだが、 レボリューション16のバックは時速2km以上では使い物になりません。
とがった船尾(バックで進行方向上の正面)の先っちょにラダーがついてるせいか、時速2kmですら水の抵抗を受けて 舵が異様に重くなる。 基本真正面か取り舵面舵いっぱいいっぱいしか使えない。 真正面もちょっと受ける水流が変わると維持できなくなり取り舵面舵いっぱいいっぱいにガーンと持ってかれてしまう。 無理に舵の微調整をしようとすると、ラダーハンドルに猛烈な抵抗を感じ、、、、多分ほんとに無理するとラダーピンが折れると思う。
その点アンパラ ステディー350は 普通にバックでも舵はすいすい調整できる。 これは最初意外でしたね。 バックで進行方向上の正面にラダーが来るから起きる問題だと思ってたので。 実際はもっといろいろ複雑な抵抗の問題なんだと思われる。 前述のように 海は道路と違い潮流もあれば風もあって基本船の動きには横滑りの運動が混じるので そんなにバックで移動するわけではないが、でもこの時速2kmですら制御できないレボ16のフィンドライブの欠点、1釣行で 2,3回気になることがあるのは事実。

まあ、こんな感じで それぞれほんと一長一短が激しくて、、、 あまり引き算で比較するとどちらを買っても欠点が気になることになりかねない。 自分の釣りスタイル念頭に足し算感覚で選んだほうが良いと思います。

ちなみにこの引き算感覚というのにも結び付く話を最後に

日本人は根拠がなくても細かいことを気にするのがお好きだが、ラダーって壊れるの?


ご覧の通り ネイティブやアンパラのラダー そしてホビーもPAやコンパスはその傾向があるが、ラダーは船底位置に固定タイプ。
よくこの位置にラダーがあるから心配 という話を聞く。 
いや じじつ落っことしたらここは当たりやすいし、心配なのは心配だ。 そういった点に気づく細やかな警戒心は必要だが、 これが壊れやすいとかの結論に結びついている人も多いのではないかな? あるいはそういうネット情報もあるやもしれぬ。
だが その心配は本当に根拠があるのか?

ほんとに世の中のネット情報を見てると、日本人のそういう情報発信者って、いかにも根拠ありげな細かい話を山のようにしてるけど、実は根拠になってない細かさに陥ってるパターンが案外多いかな。 で、またその細かさが目くらましになって鵜呑みにしてる人の多いことよ。
まあ、これを言ってしまうと、自分のブログも相当心当たりがあったりして耳が痛いんだが、

例えば カヤックの鋳巣とかね、 日本製カヤックバイキングさんが詳しく説明してる事 浸水はないとバイキングさんは言うけど、実際は中には微量に水を通す鋳巣もあると思いますよ。 でもこれはボムボートと同じなんじゃないかな? もともとゴムボは100%の気密性なんてメーカーでは保証されておらず、規格も微量に抜けるのを前提に決められており、よく説明みるとそれ書いてあるよね。でも1釣行後に少し空気が抜けてることに品質がーと文句言ってる人ネットで結構いるし。

あと、カヤックの事で語ってる人の動画だけど、口を開けたペットボトルをカヤックに見立てそれを逆さに水につけて、そのボトルの底(逆さにしてるからつまり頂点)に穴をあけて、ほら 底に穴が開いた時、頂点に穴が開くとずぶずぶ沈む。 
だからカヤックのボルト部分とかありとあらゆるところに完璧な防水コーキングが重要なんだ、って話になってるわけ。 もうその人とかありとあらゆるところ防水処理、無論前述の鋳巣は極めてご不満らしく、安いカヤックはどうのこうのといいつつこれも埋め込み作業をし、、、、、、いや、安さは関係ないんですが、、、     無論コーキング処理が悪ではないですよ。 いや やれるんならやったほうが水の侵入は減るからいいんです。 が、そもそも前述のペットボトルで言えば、多くのカヤックはフロントのハッチが生け簀タイプではなくただの穴タイプでバンジーで押さえてあるだけなんだから、どんだけネジ穴塞いでも船底に穴空いたら確実にハッチから空気圧抜けてゆき浸水。 (完全浸水まで何時間かかるのやら)
 そもそもシットインカヤックなんてそしたらどうするの? もとより沈が当たり前 浸水上等で乗るわけで。  

 しかも、手漕ぎのラダーもないタイプと違い、足こぎはハッチ以外にもいろんな穴がついてますからね 気密性は良くないのです。 ラダーラインの穴とか高い足こぎカヤックには気休めで防水パーツがついてたりするけど 浸水ゼロは無理なんです。
海況や船の構造にもよるけど どう頑張ってもコーキングで防いだ浸水分の何倍もの水が中に入りますよ。 
なんか局地的観点では正論なんだけどどっか大局において焦点がずれてるというか、、、、とすればそんなわずかなことに神経質になるより、帰った後きれいに中を洗うとかそういうことを気にしたほうがよっぽど良いのでは と言いたくなったりする。

あ、脱線が長くなった。 で、ネイティブタイプのラダーだが、 実はこの件は壊れるかどうか以外にもいっぱい語ることがあって 今回はもうそれは長くなりすぎるから話さない。 ひとまず この壊れやすそう論争に 明確な根拠を提示した結論だけ出して終わることにしよう。

今一度 百聞は一見に如かず

道具を粗末にしてて見てて気分は悪いが、、、 しかし説得力は抜群。

ネイティブのラダーは
 壊れそうに見えて ちょっとやそっとの事では壊れません。

これってね、壊れるかどうか以外にもいっぱい語ること に関係するんだけど、 
ネイティブ系のラダーって利きが悪いのがアメリカなんかでも定説なんですわ。 自分に言わせると曲がらないのではない。むしろ曲がり半径はホビーより狭い。 が、曲がりが鈍い モッサリ。 なぜかと考えて ラダー素材のやわらかさに思い当たった。 で、なぜこんなニブちんの素材でラダーを作ったかというと、、、、 破損防止策ではないかなと思い当たる訳。
ととと、あとはまた次回に。 


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