足こぎカヤックでのジギングに向くロッド

足こぎ

2015年11月25日 16:46

今回は沖縄での足こぎカヤックを使ったジギングにどう言ったロッドが良いのか検証してみよう。

 自分のメインロッドはシマノ グラップラー S601



巷にあふれる 主観に基づく買ったロッドのインプレッションよりも、まず客観的に見て、カヤックでのジギングで、みんながぶつかる制限、問題点などを洗い出してみよう。
 

1. なるべく軽く、しなりやすいロッドが良い
  言うまでもなくジギングは結構体力、とうか肩を消耗させる釣りです。 それは遊漁船でのジギングでもカヤックでも同じだが、カヤックでのしゃくりは踏ん張りがききません。 遊漁船なら膝や腰下あたりを船べりにあてて踏ん張れるし、疲れたら姿勢の変更もできる。 が、カヤックでは何時間も心持斜めを向いた同じ姿勢を強いられ疲れるし、かつ、踏ん張りがきかない故、腕力だけでしゃくらねばならない。 
 特にこの踏ん張りがきかないのは致命的で、水深50-60M以内程度ならともかく、それ以上の深度だと、波高がたった30cmでもある日だと、波の頂点に来るたびにリールを巻くのが非常に重く困難になってくる。 無論遊漁船からでも同じことは起きるが、踏ん張りがきく分負荷は低く、波の上下に合わせしゃくるピッチを少し変えるということで十分対応できる。 が、カヤックでは腕力のみでしゃくってるので、実際100Mのところで硬いロッドを使うと波の頂点が近づくたびに巻が完全に止まってしまう。 これを力ずくでしゃくるのは可能だが、肩があっという間に痛くなります。
 単純に腕パワーの負担軽減という意味では軽いロッド、軽いリールを使えばよいのですが、波の頂点前後の引き重りは道具の重さでは解決できません。ティップのあまりしならない硬めのロッドでは軽くしても効果なし。基本ジグ設定重量の軽めで柔らかめのロッドが良いと思う。 
 そもそも沖縄のジギングで100M以上の深度に行けるポイントは限られるし、深場に行けば魚影も減る。 また、こと足こぎカヤックに乗っていれば、ジグ操作中はホバリング可能で船体とジグが横に離されることは最小限にとどめられるため、さほど深度に対し重めのジグを選択する必要はない。その日の海況により変わるので一概にはいないが、基本深度を基準に20g せいぜい40gプラスなジグを選べば事足りると思われる(80M深度の場所で80+20or40=100-120g ということ 20-30Mなら20g-40g)。 
 とすれば、いわゆるライトジギング用のロッド  ジグ設定が最小30~最大100とか120gの守備範囲のものが一番該当するのかな と思われる。 ただ、ジグ設定は各社ロッドでいろいろですが、最小30gの設定があるのを選んだほうがいいかと。 40とか60gのやつは30M前後の浅場でしゃくるとき30g40gのジグの場合はじきやすいと思うので。 もう少し重めのジグを使えばいいともいえるが、特に水深30M前後以内はサンゴが多い深度なので重いジグは根がかり直結ですから。
 一方で最大ジグ重量のほうだが、最大設定100-120gのロッド、柔らかめのロッドを使っていいことばかりではない。 100.120gのジグをこういうロッドにぶら下げると、ジグの重みでベリーから先がお辞儀して、しゃくってもしゃくっても動くのバッドばかり という事態が発生する。 まあ、ジグが全く動かない 釣れないというわけではないです。 それに肝心なことだが、だからこそ80M.100Mの深度でしゃくっても 波が盛り上がるたびに巻き上げが止まることなく、スムーズにしゃくり巻くことができるわけです。
 繰り返すが、これは60M以内程度の深度では無視できる問題です。が、足漕ぎで行動半径が広がる分それ以上の深度にアクセスする機会は増えます。 100Mあたりまでいつも出かけたい人には看過できないポイントかと思う。



2. ロッドの強度について

 ところが、深度が深くなればかかってくる魚のサイズも少々大きくなってきまして 大型タマンとかカンパチなんかが普通にかかってくるようになります。 もちろん沖縄ですから浅いとこでも大きいのはいますけど、とにかくそういった大物対策で、同じライトジギングでも太目固めのロッド(具体的には 大抵のメーカーはライトジギング用で2種 軽めジグ用 重めジグ用と出してるので その後者) を用意したとする。 が、これは1.で話した問題に直結する。 結局深場の大物対策で硬めの重めジグ用ロッドを用意しても、現実的には深場で非常にしゃくり辛いものになってしまい、結局設定ジグ重量の軽い柔らかめのロッドを深場でも使うようになってしまう。 まあ、上記のように120g以上のジグを使う深度なんかめったに行かないのでそれでいいのだが、 一体強度はどうなのか? どの程度の魚なら大丈夫なのか、という問題が出てきます。

 この問題においてもカヤックには制限があり、カヤックで大物をかけた場合、遊漁船と違い、完全にロッド全体を下に、水面から垂直に向けて、リールとラインの力だけで巻き上げることができません。 姿勢的に無理なのは頭で想像できますよね? 例えリール水没させて垂直にしても上下の引き上げ運動は不可能でしょう。 踏ん張りの利かない姿勢の中、大物を釣り上げるためには腰を起点とした上下運動によるポンピングしかなく、必然的にロッドを立てながら巻き上げることになります。 ライトジギングロッド、ましてや設定ジグ重量の軽い柔らかめのロッドではかなり不安だといえる。
 沖縄の場合、カヤックジギングでよく釣れる魚は フエフキ、ハタ、アジ系の魚ですが、個人的な経験をもとに主観で言えば、おおむねその辺の魚の@よく釣れる@成体のサイズの上限は60cm超 3kg台あたりではないでしょうか? この辺のサイズまでは釣行毎回釣れても不思議ではないが、70cm超 4kg超サイズとなると、なかなか毎回釣れるもんじゃあありません。
 すべてのメーカーのロッドのことなんて把握できないが、その辺を基準に考えれば軽い柔らかめのロッドで十分対応可能だと思います。 カヤックですから、大きいのがかかったときはあまり無理をして巻き上げなくても、しばらく船を引っ張ってもらって疲れさせる作戦も取れますし、足漕ぎですから、魚の向かう方向にカヤックの向きを調整しながらも可能です。
 ただ、無理をしないにせよ、根に向かって走りやすい魚が多いですから、ある程度きつめのドラグで、ロッドのベリーあたりから海中に突っ込んで耐えねばならない時も少なくありません。竿を立てたポンピングにせよ この突っ込みに堪える時間にせよ、ロッドへの負荷はかなりかかるので、ある程度つくりのいいロッドを使ったほうがいいと思う。
 基準としては 各社が出してる X-ラップ 系かな? 素材がエックス状に巻かれてるやつ。個人的には自分の理解していない あるいは 自分が必要としていない 無駄なものがついた高価なものは絶対買いたくないのだが、Xラップ系はジギング初めてから、いろいろ理解し始めるのを待たずにすぐ買った。 既にリーフ周りのクチナジ タマン釣りで5000~1万円内外の廉価版の普通のカーボンのやつとかはどれも折れやすい と理解してたので。


3. ガイドはKガイド系が良い

 最近はたいていのロッドについてるけど、型落ちの高級ロッド 50%オフのもの、なんかにはついてなかったりする。  
これもカヤック特有の制限があるゆえにKガイドがいいです。
 カヤックの場合 しゃくるときに、遊漁船でのしゃくりに比べればロッドは若干上向き加減になります。 すなわち気を付けていないとティップにすぐラインが絡まりますから。 カヤックでは絡んだラインも外すのは面倒です。 ティップ側に手を伸ばすと、リール側は船の外に出ますから。 気を抜くとリールが海没するよ。



 以上を考慮した上で必要最低限のニーズを満たしていると思われる候補を挙げてみた。

 沖縄は送料問題があるので 使う店は限られるが、一番安いとこを選んだよ。
 自分のメインロッド シマノ グラップラー S631
シマノ(SHIMANO) グラップラー S631


みんなが使うメジャークラフト



Xラップ系 最安値 アブ 以下に述べる理由で もしかしてMJクラフトよりいいかも


 

4. グリップの形はよく見てから
 見落としがちなことですが、これもカヤックならではの制限がある。さらに言えば沖縄ならではか。
 一般にジギングでは、みんな脇にグリップを挟んでしゃくることになると思う。 カヤックでも当然脇に挟むが、脇の位置が違う。
上記のしゃくり姿勢ゆえ、なるべくティップは下げた姿勢でしゃくりたい。 が、グリップ保持位置まで下がるとリールのベールがカヤックのふちに当たるため、必然的にグリップ位置は脇の上に上がります。 ちょうど体温計でも脇に挟んでる位置と言ったらわかりやすいだろう。 踏ん張りの利かない腕だけのしゃくりにこの体温計風の脇ばさみはしっかり支点を作ってくれて効果的なのだが、脇が、、、、擦れやすいです。 非常に。 特に沖縄は一年の大半薄着で出艇しますから、、、、 軽やかにしゃくれる浅場ならともかく 腕力を要する深場で硬くて小さいグリップだと脇がすぐ痛くなり1日もちません。 メジャークラフトとかのライトジギングロッドは どのグレードも硬くて小さいグリップなので、80M以上の深度には自分としてはアウト。 実際ジャイアントキリングS60LJを使ってますから断言できる。
 ちなみに脇痛はさみはラインを船体から出す向きをクロスに変えれば(左持ちの人は右からの意味)軽減されるが、いろんな瞬間にラインがラダーに絡むリスクが高まるんで自分はやらない。 細かく説明すると長くなるから端折るけど 足こぎで実際乗ればわかる。 

5. 使うラインのことも考えよう
 ライトジギングロッドのPE許容サイズは一般的に細めです。 1.2かせいぜい1.5号です。
 ラインの選択はいずれまた別にお話しするつもりなので割愛するが、自分は訳あって2.5号とか3号とかを使います。 そうするとあまりガイドの小さいロッドはやばいかなあ と思う。 自分のように太目ラインを使う方はそこも考慮すべきですね。

 ノット部分が引っかかるとか細かいことを言えばきりがないが、実用上グラップラーはOK。
 メジャークラフトは自分の使うS60LJはOK ただしこれは最小ジグ60G~なので、オールラウンダーではない。 上記記事の選択ポイントを踏まえて言えば60LJを選ぶべきだが、これはPE1.2上限なので、ガイドのアイは小さいかも? そもそも脇痛問題があるのでお勧めできるかどうか、、、、 しかもLJはかなり硬め。 Sがついただけで大幅に柔らかいかどうかわからない。 その硬さの分、60センチ以上 3kg以上のフルサイズタマンとかの魚も余裕でぶち抜けるのですが。
自分はLJのグリップにEVAゴムのシートをぐるぐる巻きにして、完全に大物狙いの時だけに使ってます。 
 アブのロッドはグリップも多きく値段も安いのでよさげですが、カーボンほぼ100%なだし、一般評価的にも硬いようです。 3段階のチョイスがあるから一番柔いのを買えばよいかもしれないが、、、、 あと、ガイドも相当小さいようで、、、、

とすると、消去法で行くと
シマノ グラップラーがベストチョイス? かな。 一番高いけど。
ちなみに ダイワのライトジギングは50gも重いので 今回の評価には加えてません。





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