てぃーだブログ › カヤックで GO FISHING › 足こぎカヤック › プロペラ足こぎ フィン足こぎ 徹底比較 決定版...その①
にほんブログ村 釣りブログ カヤックフィッシングへ にほんブログ村 釣りブログ ソルトルアーフィッシングへ にほんブログ村 釣りブログ ロックフィッシングへ ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

2018年05月22日

プロペラ足こぎ フィン足こぎ 徹底比較 決定版...その①

 先日カヤックフィッシングブロガーの方が、プロペラ系足こぎとホービーのフィン足こぎ 比較記事をアップしていて読ませてもらった。
当方同様両方を実際持ってる方の記事なので、なるほどなるほどと共感できることも多かったわけだが、同時に このブロガーの方本人も記事で但し書きをしているように、あくまで記事は個人の主観で書かれているのであって、当方の視点では逆に感じることも数点あったのは事実。
 このブロガーさんはプロペラ歴は1-2年? ホビーのフィンは最近のようだし、どのカヤックにどのくらい乗ってなどなど 記事を書く各人の視点キャリアなどでどうしても意見が分かれることはあって当然だ。 だからこそブロガーさんも但し書きをされてるわけだ。
 
 で、あればこそ ということで、ならば ホビー足こぎに乗って既に7年目、3代目まで乗り継いでおり、プロペラのほうは逆に最近、というおおむね対極の立ち位置にいる自分がプロペラとフィン足こぎの比較を論じれば、読者はさらに客観性の高い比較ができるのではないかと思った次第。

 ただ、勘違いして欲しくないのだが、両タイプ、各部に若干の優劣一長一短はあれど、決定的な差がある訳ではない。 もうそれは米アマゾンや米オースチンカヌーアンドカヤックなんかの大手ショップのレビューなどで大量に積み重なったデータを見れば統計的に明らかなわけで、所詮個人である当方がここで論じるまでもない。
 なので、ここで自分が提供したいのは単なる優劣ではなく、例えていえば、セダンとSUVとどちらが、購入希望者各人のニーズに合ってるのかを判断してもらいやすくする情報の提供だ。 
 そして、世のネット情報のほとんどに該当する悪いパターン、つまり、いつも20年前の軽トラに乗ってる人が急に新車の軽に乗るとものすごく快適な車に乗ってると感じ、それをそのまま情報として流してしまうようなこと、それは個人主観ではまぎれもない事実だが、比較対象に偏りがありすぎて、車全体の客観評価としてはフラシーボが多分に含まれるような情報と言わざるを得ない、これを極力除外したい。 

プロペラ足こぎ フィン足こぎ 徹底比較 決定版...その①

では 本題行ってみよう。
かなり長くなるので 数回に分けて書きます。

1. 最重要ポイント
 どっちのユニットを買うかより、 どんな船型のカヤックを選ぶかのほうが100倍重要!


ここ2年来くらいだろうか、少なくとも沖縄県で、足こぎカヤックを新規で買う人のほとんどは、10ft~12Ftの幅広80cm以上のカヤックを選び 購入と同時にアウトリガーを付けているようです。
そして、あちこちから聞く話から判断するに、どうやらその流れを作った要因に当方のブログが絡んでるのは間違えないようだ。
確かに、自分は安定性云々がそこまで気になるなら、アウトリガーつけるしかないんじゃない?と、ブログで言った。  が、最悪の事態の際に逆に邪魔になるケースもあるし、アウトリガー万能とは言ってないのだが、、、
どちらかというと、すでにポリネシアンやエスキモーと言った先人の時代より、沖に出て漕ぐカヤックの理想形はもう明らかに決まってる訳で(つまり 5M以上の長さで幅50cm台のツーリング向けのシーカヤック型)、なるべくそれに近い形のスマートな船型のカヤックを選び、安定性云々が心配であるとかセイルを使うとかであればアウトリガーを、というニュアンスで話をしていた場合が多いはず。
が、実際のところほとんどの人は船体サイズは保管場所 積載性の都合等で決めてしまい、しかもアウトリガーなしでの運転練習もしないまま使ってるようなのだ。  まだレボ11にアウトリガーならわかるが。 でもアウトバックとかペスカドールに セイルも使わないのにアウトリガー?
 足漕ぎである以上、プロペラもフィンも海上でユニットがぶっ壊れるリスクがある、そんなときパドリングで帰る際アウトリガーは外さないと邪魔になるだけ。もしその時海が荒れ気味ならどうするんだろう? アウトリガー外しておっかなびっくりで漕ぐとして、それで広く短いカヤックが前に進むと思ってるのか?10ftの幅80cmがどれだけパドリングで遅いのか自覚しているのだろうか? 
 もちろん気候条件を精査し無理のない出艇を心がけてる人は相応の短いカヤックでもいいとは思うが、ある程度安定性が確保されてるカヤックなら好海況の日にアウトリガーはいらないと思いますよ。最低でもアウトリガーなしの運転練習はやってほしい。
 
 と このアウトリガー話を持ち出した理由だが、要するにアウトリガーと同じで、足こぎユニットのタイプにばかり目が行ってしまい、本来の最重要事項であり、いろんな不運 トラブルが起きた時最後の砦として絶対的に最優先で重要となるのは船型そのもののであるということをないがしろにしてほしくない という事です。
 Youtubeなんかでも最近 足こぎ10Ftが手漕ぎ13.14Ftについて行けます 1km/hくらい遅いけどほとんど気になりません みたいな動画がたくさんあがってますからね。 ああゆうのが勘違いを生む元になる。 あんなのはショップのセールストーク向けか自己満足の個人のたわごと、実用上の参考にはなんないです。
そりゃべた凪の平水面ではそうかもしれない、否定はしない が、沖でべた凪なんてまれだし、そもそも潮流だってある。
 風速5m/s 長周期のうねり50cm 風が作る小刻みな波の上乗せ30cm 潮流パワー2.0km/h相当  こういったコンディションなんて普通にいつでも遭遇するはずです。 全部シンクロすれば当然カヤックは風下に3km/h 下手すりゃ4km/hのスピードで流される。
1km/hなんて 普段使いではたいした意味はないです。 が、安易に判断すべからず。 そう考える人は何時か痛い目にあいます。潮流で流されるスピード1kmか2kmかで たった1kmの差で天国と地獄くらいの違いがあるのはアングラーならみんな知ってるはず。
 海が荒れ始めた時に そのカヤックの持つ巡航速度 1km/h 2km/h の差が物を言うんです。 こういう時巡航6kmの性能のカヤックは1-2kmで風上前に進めます。巡航4kmのはほとんど前に進めません。 で、すすまないカヤックで頑張って+2km/hを目指すというのは実質全速航行になり相当無理がある。なぜなら水の抵抗は2乗の法則 おまけに幅広で短い船体は波を切らず叩きやすく大幅に抵抗が増えるので。 平水面を時速1km/hのところから2km/h上乗せするのとはわけが違うんですよ。
こんな海況での比較動画でもあれば参考になると思うが 自分は見たことないな。

ということで、船体という部分を考えると、アウトリーフまで1-2キロある浅瀬を漕いでさらに沖に出る必要のある沖縄で、徹底的に@距離を走りながら@ジギングを極めたい人に限って言えば レボ16一択です。
ただ、そこはほんとに各人の使う環境で大きく変わりますよ。 一日延べ4-5キロ程度しか漕ぐ必要のないポイントなら16は無用の長物。そもそも世界的にアングラーの支持が高いアウトバックは12ft艇ですし、350-400cm超くらいの船体でも常識的な海況の日に出かけてれば、天候悪化時に、戻るのに時間がかかるにせよ、戻れなくなるという事はまずないだろうし、逆に16ならいかなる海況でも安全などという絶対的差がある訳でもない。 安定度では16は幅広カヤックに劣るし、16より軽ければ結構12ftくらいのカヤックでも十分(メジャーメーカーの12ftアウトバックやスレイヤー13はレボ16より重い)と思う海況のときも少なくないでしょうから。 

とにかく 足こぎユニットで迷う前に まず自分の釣りに最も適した形の船選びをしてください。
くれぐれも言っておくが、購入の際、最低ラインとして守るべきことは、
万一 足こぎユニットが壊れて 手漕ぎ で帰らなければならなくなったとき、確実に帰ってこれる手漕ぎ性能のカヤックを選ぶという事です。
手こぎ手漕ぎ手漕ぎになってしまった場合です!! 海況さえよけりゃ前述のYoutubeの話の通り、それなりに使えるだろうが、そんなことはここで問題としていない。 
毎年のようにカヤックで事故死する人が出てますんでね。 最悪の事態 状況を考えてカヤックを選んだほうが良いというのがポイントです。
基本3メーター前後のカヤックを パドルで漕ぐと パドルに合わせてカヤックが左右に首を振ります。 当然それは速度低下を招くわけ。 10Ft足こぎ艇検討中の人は特に気を付けてほしい。 足こぎユニットは船体中央にあるから足こぎ状態では首を振らないからね。

という事で、各人長さの制限は出てくる思うが 平和な海で釣りができる環境にある人もソルトで使う以上はあまり長さは妥協しないに越したことはないと思う。 
ソルトで使うなら、10ftはとにかくやめたほうが良い。 好海況日のセカンド艇とか もとより沖に出ないからとかならありでしょうが、メインで使うのは、自分に言わせれば海をなめてると言いたくなる暴挙。
 ソルトの釣りって普通1-2kmは沖に出ますよね。潮流が速い日に向かい風5m/s吹きだして、運悪く足こぎユニットが壊れたとして、3mあるかないかの幅広カヤックが手漕ぎで時速何キロで漕げると思います? 運よく 時速0.5kmで前に進めたとしても、で、陸まで漕ぐのに何時間かかると思います? そんな時海況もっと悪化したら?  
何も16とは言わないがソルトのジギングで使うなら 各モデルの差はあれど、手漕ぎでもおおむね最低限の直進性が確保されると言える 350cm以上は欲しいと思いますね。


2. ユニットの耐久性やメンテナンスについて

 プロペラもフィンもどちらも海上で壊れます。 絶対にこのリスクがあるのを忘れないように。
単純にアクシデントで壊れるという意味では、
手で運搬中落とせばまずぶっ壊れるのがプロペラのほう。 フィンと比べものすごく重いので壊れなくともアルミのケースにひずみが出かねない。 中には長大なシャフトが入ってるのでケースのひずみは致命的。 
あと、ネイティブのユニット上部のハンドル上のところ、ここを下にして車で運んでると振動でハンドル基部が壊れるケースが報告されてる。(当方激安カヤックユニットも同じ形状だが、購入者の方は壊れない方法をインストラクションしますので安心)
総じて重さが原因だが、運搬に非常に神経を使わざるを得ないですね。
 藻も絡みやすく、PEラインが絡むとプロペラシャフトに挟まってかなりつらい。 浅場で海底にプロペラを当てると確実に悲惨なことに。プロペラ高いし、プロペラとシャーピンの交換はある事情があって海上では少々不安がある。

一方でフィンのほうは落っことした程度では壊れない。藻が絡んでも大抵そのまま進めば勝手に切れたり外れたりでしのげる。特にノーマルフィンは海底にあたるリスクもPEラインが絡むリスクも非常に低い。
PEラインが絡んだ場合だが、フィンに絡むとフィンが下手すると切れる。 切れた部分を適当に接着剤やゴム板で補修すると大抵の場合体感でわかるほど遅くなる。 根元に絡むと結構面倒、プロペラシャフトと違い角が立ってる部分が多いため外すときラインは傷みやすい。
 フィンは海底にあたるとゴムが削れて、中のステンレスバーがつきだしてしまうことがある。 突き出すと猛烈にフィン効率が落ちます。 突き出しでできた穴を接着剤やゴム板で補修するとこれも同様遅くなる。要するにちょっとしたことでフィン交換をする羽目になる。 フィンは万単位のパーツなのでうれしくない話。新しいタイプは少し丈夫そうだが、その代わりというか、ぶつけた時フィンが2つにばらけるケースが報告されてますね。


 メンテですがプロペラは数か月に1回中を空けてグリースが不足してたら塗るだけ。
基本重厚な傘型ギアとシャフトの組み合わせでできているパーツなんで、これがペダルを踏む際の大きな抵抗を生んでしまってる一方、定期的なメンテをやってれば、というかグリースなんて早々切れないものなので、メンテなしでも外ガラをちゃんと洗ってればぶっ壊れるリスクは非常に低い。 
 が、 しかし  だ。
なんかの拍子に水がいりこむリスクは常にある訳です。 いつ入り込むかなんてわからない。 カバーが緩むとか、高圧洗浄するとか、あるいは規定トルク以上で締め付けたネジ部分についてるゴムパッキンが痛んだとか。
毎回使用後に工具を使って分解し水の入込みを確認するのも面倒です。 
でも、事実ペダルユニットがぶっ壊れてショップに持ち込まれたユニットを開けたら、腐った海水がドバっと出てきたというケースがある訳です。 
総じて丈夫で交換部品も少ないが、ブラックボックス的なぶっ壊れリスクがあり、いざ壊れたら猛烈にお金がかかる結果が待っている。(多分ネイティブの人はユニット壊れたら修理するより当方の激安カヤックのユニットに買い換えたほうが安上がり) これがプロペラの特徴。

一方でフィンタイプだが、 フィンは2年したらワイヤー切れます。 これは消耗品。 3年4年切れない人もいるだろう。 が、自分の場合メンテちゃんとやっても 初代、次代ともに2年でユニットのワイヤーが切れた。 チェーン付きのワイヤーのほうは初代は切れた。 ショップの方の意見もおおむね2年。
 どちらも海上でも5-10分で交換できるのだが、まあ、素直にブチ切れる前に陸で早めに交換したほうが良い。
その他ベアリング部分 スプロケ等すり減る部分はあるが きちんと潤滑洗浄していればまあそこまで交換するところまで行く人は多くないのではないかな。潤滑なしだと猛烈にすり減りますが。
あと、 いまだに車に洗浄機を積んで足こぎユニットを陸に上がってすぐ洗ってる人を見るのはまれなんだが、そういう人のユニットは1年2年でクランク折れたりチェーン切れたりする可能性はある。  あと、落っことして壊れた場合もそうだが、部品が細かい分、一気の全損となるリスクは低く、各交換パーツの値段は安く、ほとんどのパーツはむき出しな分、掃除 メンテはやりやすい。 ちなみにチェーン1本5000円だからプロペラと比較すりゃあ安いだけです。 

うーん メンテ 耐久性はどっちも一長一短あり。 
プロペラのほうが交換部品等は少ないがいざというとき大変。
フィンはいろいろ交換前提のパーツはあるが、全損リスクは極めて低い。
必要な予備パーツを事前に準備し、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。

今日は長くなったのでこれで終わり

最後にネイティブとホビーのメンテ動画。
ちなみに 当方激安足こぎカヤックのメンテもネイティブの動画と同じ。  いろんな工具が出てきますが激安足こぎカヤック購入者の方は こちらできちんと必要工具の案内とかしますから安心。



 ついでだから日本のショップさんの組み立てガイドも載せとくか 

ペダル回転音うるせー。 少し離れたり 会話が入ると聞こえなくなる。 ましてや大抵のyou tube 動画は音楽が入るので、実はぺダルドライブが発電機みたいな音を立てるという事を購入前に気付ている人はまずいないだろう。 まあ、最初にペダルを買った人はそんなもんかと思える程度の音だけど、ホビーを知るほうとしては うるさいです。

こちらはホビー
ホビーの会社が作った180ドライブのビデオはまだ出てないようなんで



今回はこれまで。
プロペラとフィンの実用上の違い等はまた次回に。

それまでこれでも見て楽しんでください。
個人のプロペラとフィンの比較動画、速度比較とかバカな内容ではなく この人が実用上気になった違いをまとめてあって非常に参考になる。








PVアクセスランキング にほんブログ村
同じカテゴリー(足こぎカヤック)の記事
浅場の小物釣り
浅場の小物釣り(2019-10-28 21:00)


この記事へのコメント
なんだか心当たりがあるので、、、
ドライブに関して、特に細かく説明いただきありがとうございます。

あくまでも素人ですので、ドライブを空けてチェックやグリスアップ程度しかできない、ミラージュドライブはこれから勉強という理由のため、細かな言及は避けました。

また使用感についても、普段プロペラに乗っているせいか、どうしてもプロペラの不満と比較してしまう形になってしまったという感があるのは否めません。

スピードはそうですね、、、普段比較的安定している海域でしか浮かないので、スピードに関しての認識は鈍くなっているのかもしれません。。。

非常に参考になり、楽しく読ませていただきました。
引き続き楽しみしております(*´ω`)
Posted by ユタ at 2018年05月23日 09:55
特にそちらの記事と見比べながら書いているわけではないのですが、結果としてまるでたたき台にしてるようになりました。申し訳ないです。
 決定的優劣がある訳でもなく、各人の用途 考え方でいろいろ評価が分かれるものだと思います。足こぎ艇購入検討中の読者にとっては全然逆の事が書いてあるくらいのほうがいろんな視点で検討できていいんではないかと思います。 続きもよろしくです。
Posted by 足こぎ足こぎ at 2018年05月24日 19:47
いつも楽しく拝見してます、プロペラ系足こぎとホービーのフィン足こぎ比較記事を読みたいのですが、今後の参考にしたいので教えてください。
Posted by 山 at 2018年05月25日 23:19
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。